
箱……肆
第2章 沈む箱
そんなある日…
妻は一日中…
眼鏡を探し―――…部屋の中をうろうろしていた…
一回見つけてやったが…
数時間後には…また…眼鏡がないと…部屋をうろつく…
そして…不安そうに…ブツブツなにかを呟き…家を歩き回る……
妻は……おかしくなっていた…
私は、妻に薬を増やすよう…
進めた――――――…
妻は……
家族に迷惑をかけたくないと……
薬を増やすことを承諾した…
だが……もう…どんな薬も…
病状の進行を止めることはできない…
妻の脳は――…萎縮し…
記憶を上手く取り出せないのだ…
