
デスサイズ
第2章 Episode 2 痛み
「がああああぁぁ!!」
あまりの痛みに悲鳴をあげる林。
「くっ、ふうぅ…!」
荒い呼吸をしながら、林は己を見下ろす黒斗を睨みつける。
「だ、れだ……!! 何なんだ、テメー、はっ!!」
「動物を殺したのは何度目だ?」
問いかけには答えず、逆に質問してくる黒斗に林は怒鳴りつける。
「んな、もん…知るかあっ!! テメーは、何だ!! 俺を、殺すつも…」
胸の傷口に黒斗が片足をあげ、全体重を乗せて強く踏みつけてきた。
「ガッ……グ、ギィ」
骨が軋み、踏みつけられた傷口から血が零れ落ちる。
胸だけでなく、床に押しつけられている背中からも血が溢れて服を濡らしている感覚がして、言葉では言い表せない嫌悪感に林は襲われた。
「お前が動物を殺したのは3度目だ」
「だ、から、ど…した…」
感情の欠片も感じられない黒斗の言葉に、林は意味が解らないという表情を浮かべる。
「お前はやりすぎた。犯した罪に対する罰を受けてもらう」
その言葉を聞いて、林は身体の芯から冷えていく感覚がした。
グシイィッ
「ギアアァァッ!!」
足を退けられると同時に、今度は右肩から袈裟懸(けさが)けに切り裂かれる。
「ヒッ、フッ、フゥッ……」
身体中を襲う痛みに、林は身を捩(よじ)らせる。
己の身体を見てみると、全身が血で赤く染まっていて、床には大きな血だまりがあり、どんどん広がっていた。
出血は既に致死量に達している筈なのに、意識は依然とハッキリしていて、激痛も続いている。
