
デスサイズ
第2章 Episode 2 痛み
(ま、まさか…)
震える足でゴミ袋に近づき再度、中を覗きこむ。
そこにあるのは先程と変わらない死骸だけだ。
(猫が化けて出るなんて、ある訳ねえよ)
安堵の溜め息を吐き、立ち上がる林。
ザシュッ
何かが切り裂かれるような鈍い音が響くと同時に視界が揺れて、床に膝をついた。
「え…?」
背後から強い殺気を感じて振り向くと、そこに居たのは黒いフードつきのコートを着た黒髪の少年が立っていた。
少年が持つ大鎌の切っ先には血液が付着し、ポタポタと床に落ちて赤いシミを作っていく。
数秒の間を置いて、林は背中に激痛を感じ、ようやく斬られたことを理解した。
「……っ、イッ、イデエエェ!!!!」
強い痛みにのたうち回る林。
そんな彼を少年…黒斗は微笑しながら見つめ、持っていた鎌で林の胸を切り裂く。
肉が裂かれ、そこから噴水のように噴き出す血。
