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第2章 Episode 2 痛み



リンの生首を発見した黒斗は直ぐに警察へ通報した。


数十分後、現場に辿り着いた警察に発見時の状況を伝え、両手で顔を覆い泣きじゃくる鈴を支えていた。


「うっ……うぅ…リン、リン……」
絶え間なく大粒の涙を流し続ける鈴。



「おい、何の騒ぎだ?」
「猫の生首ですって、気色悪いわね」
「なになに? 面白そうな事件?」



思い思いの言動を発する野次馬達に黒斗が冷ややかな視線を送ると、尋常(じんじょう)ではない気迫に圧されたのか1人、また1人とこの場を立ち去っていった。


「君、ちょっといいかね?」
「はい」

警察に呼ばれ、黒斗はそちらに歩み寄る。

「昨日、自宅の周囲に不審な人物の姿は見なかったかい?」
「いいえ、見てません」
「じゃあ、今日の朝は?」
「寝てたから知りません」

ぶっきらぼうに答える黒斗の顔を、刑事は腕を組んで真っ直ぐに見つめた。

「どうして、死骸が君の家の前に置かれていたのか心当たりはあるかい?」
「さあ」

その言葉を聞いた刑事は、ここからが本番だと言わんばかりに腕を組み直した。

「ここ最近、姿を消したペットの惨殺死骸が飼い主に発見される事件が起きていてね、今回で3回目なんだ」

一息ついて、刑事は更に続ける。

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