テキストサイズ

デスサイズ

第2章 Episode 2 痛み




次の日の朝



「よし、準備オッケーや!」

自室で身支度を整えた鈴は両手で拳を作り、グッと握りしめた。


そんな彼女を傍(かたわ)らのリンが興味深そうに見つめている。


「ミャーン」

声をかけてきたリンに振り向き、喉を撫でてやる。



「堪忍なリン、今日は一緒に遊べへんのや。……ウチな、ココアを殺した犯人を見つけて、警察に捕まえてもらうんや」





愛犬ココアを殺され、悲しむカナを見た鈴は昨日、犯人を見つけることを決意した。

刑事でもなければ探偵でもない自分でも、犯人の情報を少しでも探ることが出来れば、と思い立ったのだ。


今日は日曜日で学校も休みだから、丁度いいと鈴は張り切った。





「ええか? 絶対に外に出たらアカンで? ほな!」
「ミィー」

外に出てはいけないとリンにしっかりと言い聞かせ、戸締まりも確認すると、意気揚々と外に飛び出して行った。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ