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第2章 Episode 2 痛み


「ひぐっ……うっ、うっ…」

片膝をついてカナの目線に合わせると、ハンカチを取り出して彼女の涙を拭う。


「どないしたん? いじめられたんか?」

鈴の言葉にカナは「ちがう」と呟き、首を振る。

「あのね…昨日、お姉ちゃんが帰ったあと、カナ、おトイレ行ったの……それで、戻ってきたら、ココアが……居なくなっちゃったの……」

「ええっ!?」


しゃくりながら話されたカナの言葉に驚く鈴。


「パパとママが探しに行ったけど、見つからなくて……それで、カナ、ココアが公園に戻ってないかなって……思って……」


落ち込むカナ。


一方、鈴はそんな彼女を励ますように、小さな両肩に手を置いて語りかける。


「話は、よう解った。ほな、一緒に公園まで行こか。そんでココアが居なかったら、お姉ちゃんも探したる!」

力強い鈴の言葉に、カナは涙を拭って「ありがとう」と礼を述べた。



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