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第2章 Episode 2 痛み




翌日の放課後



昨日、カナと交わした約束の為に、鈴はリンを連れて、昨日の日名田(ひなた)公園へと向かっていた。


「カナちゃんとココア、もう来とるかなー?」

「ミィー」

鈴の言葉に返事をするように、肩に乗ったリンが鳴き声をあげた。




「あ、橘」

向かいからやって来た大神が鈴に気づき、声をかけてきた。


「大神くん、今帰り?」

「うん。橘は?」

「ウチは、ちょっと公園に用があってな」


その言葉を聞いて、大神の眉がピクリと動いた。


「公園って……日名田公園?」

「そうや」


一瞬の間があった後、困ったような表情を浮かべた大神が口を開く。


「行くの、やめた方がいいと思うけど」

「えっ? 何でや?」

「…なんとなく、かな。どうしても行くっていうなら止めないけど」


言いたいことだけ言って、大神はさっさと行ってしまった。

相変わらずマイペースな男である。


特に気にすることなく、鈴は目的地に向かった。








「ん? あそこに居るのは…」

見覚えのある姿を認め、鈴が駆け寄る。


「カナちゃん!? どないしたん!?」

そこに居たのは、大粒の涙を流しながら歩くカナだった。

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