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第2章 Episode 2 痛み




日名田公園まで来た鈴とカナ、そしてリン。



「あのね、昨日、ココアをあっちの鉄棒に……」

指をさしながら鉄棒を見やっていたカナの言葉が止まる。



「カナちゃん?」

目を大きく開いたまま、ピクリとも動かないカナに声をかけるが返事はない。



「?」

不審に思い、カナの見ている方向に視線を移す。




「っ」


あまりの驚きに声が出なかった。


一瞬で頭の中が真っ白になり、放心状態で“ソレ”を見つめる。



「お姉ちゃん、アレ……」

幼い少女の震えた言葉で正気に戻り、咄嗟に鈴はカナの目を手で塞いだ。


「見たらアカン!!」

既に見た後だとは解っていたが、反射的に出たのはこの言葉だけだった。

自分が見た“ソレ”が何なのかよく解っていないカナは、ただ戸惑うだけだが鈴は全身を震えさせ、必死に嘔吐感を抑える。


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