
デスサイズ
第3章 Episode3 挫折
「自分の身を守る為に、友達を売るなんて……そんなの嫌だっ!!」
ドッ
玲二が言い終えると同時に、聞き覚えのある重く鈍い音が響いた。
違和感を感じた腹部を反射的に見下ろすと、有理が持つナイフの刃先が突き刺さっていた。
「じゃあ死ね」
冷たく言い放つと、躊躇(ためら)うことなくナイフを引き抜いた。
「あっ……ぐぅ……」
ナイフが抜かれると同時に、大量の血液が溢れ出る。
刺された箇所が急激に熱を帯び、よろめく玲二を有理は押し倒し、馬乗りになった。
「……ゆうり……こ、れ以上……その手を、よごしちゃ、ダメ、だ……」
「うるせえよ。ノロマのグズの癖に、天才の俺様に口答えすんな」
そう言って有理は血で濡れたナイフを大きく振りかぶり、勢いよく玲二へ降り下ろした。
