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第3章 Episode3 挫折




半ば強引に黒斗の舎弟となった玲二は、スキップでもしだしそうな軽い足取りで、とある場所へと向かった。



住宅街にある、2階建ての一軒家に辿り着いた玲二はインターホンを鳴らす。



ピンポーン



小気味よいチャイム音が響いたあと、ドア越しから女性の声が聞こえてきた。

『はい、どちらさま?』

「佐々木です! 洋介(ようすけ)居ますか?」

『あら、玲二くん。いらっしゃい、今開けるわ』

ロックを外す音が聞こえた後、扉がゆっくりと開かれる。


現れたのは泣きホクロが特徴的な、ショートヘアの主婦だ。


「洋介なら部屋に居るわ、どうぞ」

主婦に促された玲二は、お辞儀をしながら家に上がる。



勝手を知っている様子の玲二はスムーズに2階へと上がり、“洋介”と書かれた札が付いている扉の前に立ち、ノックをした。


「どうぞー」


爽やかな声音が聞こえ、玲二は扉を開く。

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