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第3章 Episode3 挫折



一方、玲二は黒斗の気持ちも知らずに、瞳を輝かせて口を開いた。

「だって先輩、かっこいいし、ケンカ強いんですもん! オレ、先輩に憧れたんです!」

興奮ぎみに言葉を続ける玲二。


「オレ、先輩みたいな強い人になりたいんです! だから、お願いします! 舎弟にして下さい!」

今度は床に膝をつき、土下座をして頼み込んできた。


「…………」


腕を組んで最良の選択肢を思案する黒斗。


しばらく考えた後、適当に話を合わせてやることにして、重たい口を開いた。


「わかった。好きにしろ」

「ほ、本当ですか!?」

ガバッと顔を上げる玲二に頷く。


「あ、ありがとうございます!! じゃあ、明日から宜しくお願いしますね、兄貴!!」

満面の笑みを浮かべながら、玲二はドタドタと騒がしく美術室を出ていった。




「……何で、俺のまわりには騒がしい奴しか居ないんだ……」

深い溜め息を吐き、頭を抱える黒斗はグチるように呟くのだった。

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