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私の彼は****が好き

第10章 イジワルな先輩に…………

「お前今痴漢してたろッ!?」


叫んだ男性はあたしたちの斜め後ろにいた。そして、その人は先輩の手首を掴んだ。


――チカン。


その一言で周りの乗客たちの視線が飛んできて、車内に緊張が走る。



「……ッ!?……し、知らねぇ……」


その視線に晒された先輩はみるみる青くなって震えていた。


「とぼけんな!?今触ってんの見たからな!?絶対許さねぇ‼警察つきだしてやるからッ‼」


一方、先輩の手首をひねり上げてる男性、ますます声を荒らげる。


あたしは声も息も止まって動けなくなっていた。


…………だ、だって、


先輩を掴まえた男性、伊達っぽい眼鏡をかけて、ハットを深く被ってるけど、よく見たら驚くくらいタケルに似てるんだもん。


…………て言うかタケルだ……。





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