
私の彼は****が好き
第10章 イジワルな先輩に…………
*
翌日は朝から雨だった。
タケルを送ったあと、あたしも家を出て駅に向かう。
別に矢野先輩を探すわけじゃないけど、何となくキョロキョロして落ち着かない。
まさか今日も来ないだろうと思う半面、先輩は絶対に今日も来ると思った。
すると予想は的中、ホームの群衆のなかに矢野先輩は立っていた。
背が高くて頭ひとつ人より抜けてるから、とにかく先輩は目立つ。すぐに見つけてしまった。
あたしは逃げるようになるべく離れた車両に乗り込む。
でも先輩は早足で追ってくる。
人をかき分けて、さりげなくあたしに寄ってくる。
