テキストサイズ

私の彼は****が好き

第9章 誰にも渡さない……っ

目を細めて笑う矢野先輩。


笑うと左のほっぺに笑窪ができる。


髪も伸びたし、スーツ姿だから気づかなかったけど、あー、こうやって見ると矢野先輩だっ………!


この矢野先輩ってひとは、高校の頃バスケ部のキャプテンで、あたしはマネをしていた。2個上の先輩。


「ホントすごい偶然ですね……!元気でしたか!?」


「まーぼちぼち。それよりお前どうしたの?」


「……え?」


「さっきすげー怖い顔してたぞ?なんか痴漢にでも会ったよーな」


「……ち、ちかん……!?」


ケンジくんのことを思い出した。別に痴漢じゃないけど、あたしってそんな顔してたんだ……。


「なんかヤバイなら送ろーか?オレも帰るとこだし」


矢野先輩はあたしの雰囲気から何か察してくれたみたい。


「……あ、じゃあ駅までお願いします」




ストーリーメニュー

TOPTOPへ