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Gentle rain

第7章 心と体

「美雨と付き合ってからの話か?」

「いや。付き合う前の話だ。」

太我ははあぁっと、大きくため息をつくと、髪を激しく掻き上げた。

「許してやれ、美雨。付き合う前の事は、どうすることもできない。」

「…うん。」

俺と美雨は、ゆっくりと目を合わせた。


美雨の瞳に、涙が溜まっている。

謝りの言葉も出なくて、俺は美雨の目の脇に、そっと口付けを落とした。


「ったく。親友と妹が付き合うと、これだから困る。」

二人を見ていた太我は、呆れていた。

「すまん、太我。」

俺の傍で、さっきまで目に涙を貯めていた美雨が、ウフフッと笑っている。

「いいさ。これっきりだぞ。あとは二人がケンカしようが何しようが、俺には関係ない。」

そう言った太我は、どこか寂しそうな背中を見せていた。


それを見た美雨が、太我を後ろから抱きしめた。

「兄さんも大好きよ。」

「ウソつけ。何かあったら、階堂を取るくせに。」

笑い合っている太我と美雨に、少しだけ心を救われた気がした。

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