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第6章 解放

「利き手で持ち手を握って、もう片方の手で房を握って」
プロの女王様らしく、鞭の持ち方や上手な打ち方をレクチャーする愛華。
手本のようにベッドを打ち据える。
「パチンコみたいな感じで、打ちたい場所に対して持ち手と房を真っ直ぐに張るでしょ?それから房を離す。」

バンッ!

「そそ!上手い上手い!」
何度か練習するヒロに愛華がぱちぱちと拍手する。
こんな事を言っているが、これからその鞭で打たれるのは愛華である。

「うん、いけそう・・・
じゃあお尻、こっち向けて」

「う、うん」

ドクン、と急に愛華の胸が高鳴った。
ベッドに四つん這いになるも、恐怖と興奮で体が震える。ママ女王様のショーなどで相方を務めたことはあるが、男性に鞭で打たれるのは初めてだ・・・

「なんて言うの?」
ヒロの声にビクンと体が反応する。

「っ!・・・お願い、します」
「ちゃんと言えるんだ。女王様。」
「うう・・・っ」
普段は名前で呼ぶのに、こんなときに女王様と呼ばれるのが、何故かすごく恥ずかしい。

パシッ、パシッ、パシッ
アタリをつけるためにヒロが軽く鞭を当て始める。
「ヒッ!う、ううっ・・」
痛みは全くないのに体がいちいち強張る。
慣れない為か、焦らしているのか・・・
すぐに来ない痛みが余計に恐怖を煽った。

バシイッ!

一瞬の間があって背中に衝撃が走った。
「ッアアアアッ!」
愛華が思わず悲鳴を上げる。
それから強弱をつけながらの鞭打ちが始まった。
「アアッ!ぐぅッ!アアアッ!!」
バラ鞭なので痛いというより重い。それも男性の手で振り下ろされるのは予想以上の衝撃だった。
愛華の瞳から涙が溢れる。
「アアアッ!ヒッ!うぁア!!」

大粒の涙を流しながらガクガクと震える愛華に、ヒロが心配して駆け寄った。
「愛ちゃん、大丈夫?」
腫れて真っ赤に染まった背中にそっと触れると
愛華の体が跳ねる。
「ハァッ、アアッ・・・・大、丈夫・・・っあ」
いつも自分がそうされるように、ヒロは愛華の鞭痕を撫でた。その度にピクリと反応する。

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