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エスキス アムール

第43章 だから言ったのに。






「何年も一緒に過ごしてきてあんなシーンが見れるとは」


30分経った今も要はずっと笑っている。
ショックでうなだれる俺に、木更津は珈琲を注ぎながら笑った。




「波留くんってね、すごく甘えるんだよ」

「え、どんな風に?」


「お前、余計なこというなよ!!
要も聞いてんじゃねーよ!!」




マジで終わった。マジで。


要には言うタイミングを失ってたから良かったといえば良かったけど。

こんなバラし方じゃなくてもよかった。


親友に濃厚なキスシーンを見られるなんて。最悪だ。




「まさか、まさかだよ。
波留がホモになるなんて。」

「ほ、ホモじゃねーよ!!」

「じゃあ、バイか?
両方いけんのか?」




「ち、ちがう!
俺はホモとかバイとか。

男が好きとかじゃなくて!
木更津が好きなんだよ!!」




「「……。」」




あ…ま、まずい。





要「へー、ほー、ふーん(ニヤニヤ)」
木「やだな。波留くん、照れちゃうじゃん」
要「オアツイですね。(にやにや)」
木「もう、彼、
僕のことが大好きで大好きで。ふふ」




つんだ。しんだ。おわった。








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