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暗闇で恋しましょう

第22章 変化

………どれもこれも、自分が為。


自分の気持ちを軽くしたいが為。


こんな自分、本当に反吐が出る。










ごきっ




「!?」



そんな音ともに、いつの間にか足元に落とされていた視線が突如、杏を捉えた。


一体、何が起こった?


それに、杏の視線。


痛いくらいに真っ直ぐなそれは一体、何を意味して



「おかえり。ひぃちゃん」



考えが纏まる前。


そんな穏やかで安心させるような声音が、目に映る人から発せられた。


おかげで、考えは纏まるどころか一気にぐちゃぐちゃに。


だって、そんなの俺が願っていたものでも、想像していたものでもない。


そんな俺なぞ知ったこっちゃないのか、杏の言葉は止まることを知らない。



「ひぃちゃん、私に言わなきゃいけないこと、あるよね?」



ある、あるさ。


いっぱい、ある。

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