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暗闇で恋しましょう

第12章 1つ、また、1つ 嫌な、こと

分かってる。


忘れたことなど1度もない。


それでも止められなかった。


気付いたら夢中だった。


私には彼が必要なのだと、知らぬ間に胸が訴えていた。



「っ……」



いつの間にか、涙も零れ落ち、後から後から落ちてくる。


この涙は、恐怖からなのか。


それとも、苦しい恋をしている境遇からなのか。


もしくは両方なのか。


分からない。


だけど、これだけははっきりと感じることが出来る。


それは



罪悪感



愛する貴方への、深い深い、罪悪感。



「ひっく……ぅ……ごめ、なさ……んっく……ひ、ちゃ……ひっく」



ごめんなさい、ごめんなさい……



本人が居ない中、私は何度も何度も、零れる涙と共に謝罪を繰り返した。

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