テキストサイズ

言葉で聞かせて

第5章 再発


その時の俺は所謂片割れが悲しみに暮れているのにすげぇ焦ってた

とにかく元気付けなきゃって夢中で
とりあえず色んな言葉で検索しまくった

そして


「……?」


なんだ?
これ……?


「……分泌液嗜好症?」


俺の言葉に何かぴんとくるものがあったのか、悠史は顔を上げてこちらへ近づいてきた

そして俺の横からパソコンの画面を覗く


「何?それ?」
「え、と……」


細かく見ようとしても、なかなか詳しいことまで載ってるものは少ない

ただ、検索結果としてはたくさん出ていて


「唾、とか汗とか……体液?が好きな人のこと?なのか?」


俺が首を傾げていると、自分と一致する人が多くはないが存在することがわかってほっとしたのか悠史が震える息をついた

そして俺を背中から抱き締めた


「悠史?」
「…………ありがとう……敦史……」
「……あぁ。よかったな」
「うん」



悠史の異常性癖は、分泌液嗜好症


「他にも、いたんだ……」
「だな。まぁ嗜好ってだけだし、タバコみたいなもんだろ。吸えば気持ちいいけど、別に吸わなくても生きていける。要はお前次第ってことか」
「…………ハイグロフィリア……か……」


俺たちはその時その名前を深く頭に刻み込んだ

ストーリーメニュー

TOPTOPへ