
言葉で聞かせて
第5章 再発
「なんか…………」
悠史は詳しく話そうとしたが、恥ずかしさからか言葉を切ってしまった
ここで急かしちゃいけない、と俺はひたすら悠史の背中を摩りながら待つ
「落ち着け。ゆっくりでいいから。な?」
「……ぅん……」
再び数分間黙ってから漸く悠史は重い口を開いた
「なんか、ね……その………唾液、とか……あとその……女の子の、アレ………とか………」
「うん」
「……飲みたくなるんだ……」
は?
唾液と?女の愛液を飲みたくなる?
なぜ?
俺は一瞬完全に思考が停止したが、とにかく今は辛いのは悠史なんだから何か言ってやらねえと
と、頭をフル回転させる
「わからなくもないけど……その欲望が、悠史は人一倍強いってことか?」
本当はそんな気持ちわかんねぇけど
だってそんなに綺麗なもんじゃねえだろ
だが俺の言葉で悠史は少しは気持ちが軽くなったのか、俺の質問に今度はすんなり頷いた
「もう、入れるとか……どうでも良くなるくらいになる時も……あって……」
「うん」
挿入までどうでも良いってのは、すげぇな
俺は半ば関心すらしながら聞いていたら、悠史の次の言葉に頭を鈍器で殴られたくらいの衝撃を受けた
