テキストサイズ

言葉で聞かせて

第5章 再発


暫くそのまま泣く悠史の側で背中をさすっていてようやくおさまった頃、悠史がありがとう、と言って俺の腕を押し返した


「……初めてじゃなかったんだけど……その……シたのが……」
「セックス?」


悠史は恥ずかしそうに俯いた


まぁ……
そういうの意識する年だしな

思春期、ってやつ


「それで?」
「それで……いつも特に何も言わなかったのに……あの日急に……僕のすることが毎回気持ち悪い……変態、みたい……って……」


変態みたい?


「そんな変なことしてたのか?」
「……」


悠史はまだ俯いたまま

俺は忍耐強く返答を待つ


「……なんか、人の……その……」
「…………」
「唾液?……とか、に……」


そう言ったきりまた悠史は黙ってしまった


「……興奮する?」


悠史は首を縦に振った


だがよく考えてみれば


「普通じゃねぇの?それ」
「…………」
「セックスなんて自分も相手も色んなもんでぐちゃぐちゃになるもんだろ。そんなこと今更気にしてんのか?あいつ」


悠史はふる、と小さく首を横に振った


「違うんだ」
「?」
「その、興奮の仕方が……人よりすごい、らしくて……」


どういうことだ?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ