
言葉で聞かせて
第5章 再発
悠史は小さく頷いた
「っ!お前!!それで女使って発散しようってか!?!?最低だぞ!!!」
「わかってるよ!!!わかってるけど!!!どうしようもないだろ…………」
どうしようもない
確かに、そうなのかもしれない
悠史の「異常」が見つかったのはいつだったか
確か
性行為を覚えた高校生の頃
悠史の大切にしてた彼女が突然、悠史をフった
「お前どうしてあいつと別れたんだ?」
「……」
「結構あいつのこと大事にしてたじゃねぇか。それに、あいつだってお前のことーー」
俺の言いかけた言葉を遮って言われた悠史の言葉に俺は心底驚いた
「気持ち悪い、ん……だって……」
「!?」
「…………」
「は?何が?気持ち悪いって?」
「……」
「おいーー」
何も言わなくなった悠史の腕を掴んで問い詰めようとすると、悠史は俺の方を見た
その目は涙に濡れていて
「!!」
「僕が……!!!僕が…気持ち悪いんだって……っ……でも……好きだから……っ……ひっ……く……ぅあ……」
混乱しているのか放った言葉は繋がりがなく意味がわからない
悠史が気持ち悪い?
何が?
俺はそばにいながら何もできなくて、泣きじゃくる悠史の背中をただただ摩っていた
