
言葉で聞かせて
第5章 再発
ただならぬ気配を感じたのか、悠史は
「わかった。ちょっと待ってて」
と了承した
「あぁ。じゃあ、店の前で待ってる」
「うん」
どこで話すかな
家は……千秋がいるしな
とりあえず俺は悠史を置いてその場を後にした
暫く寒空の下店の前で待っていると、裏口の方から悠史がやってきた
「お待たせ」
「あぁ」
「……行こうか。カラオケでいい?」
「ああ……」
カラオケか
なるほど
俺たちは近くの朝方まで営業しているカラオケに向かった
フリータイムで入店して部屋に入り、ソファに座ってからすぐに悠史が話を切り出した
「僕に話って何?」
「聞かなくても薄々はわかってるんだろ」
「……」
ほら、やっぱり
わかってる
「お前さ、まさかーー」
「大丈夫だから」
「おい、聞けよ」
「でもーー」
あぁ、くそ!
めんどくせぇ
俺は尚も言い募ろうとする悠史の言葉を半ば叫んで遮った
「千秋が!!!心配してんだろ!!」
一瞬面食らった顔をした悠史は困った顔をする
「だって……無理だよ。このまま千秋さんの側にいるなんて出来ない……」
「やっぱりお前、あれが……」
