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言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて


店に出て、とにかくあの女と関係のありそうな女に何か知ってねぇか聞く

そう言いだしたのは俺だ


当然悠史は仕事なんだからそんなことできないって反対したがな

俺はそれをうるせえって一蹴した


『そんなこと言ってる場合かよ。あんまりちんたらしてっとその辺の血も繋がらねぇガキがお前の子供として戸籍登録されんぞ』
『……っ……』


口悪いよ、とだけ呟いた悠史にこんぐらい言わねぇとお前がわからねぇんだろうがアホ、と心の中でつぶやいた

がしかし
仕事前に気合い入れて、漸く開店だと思ったら


「ちょっと!!!!私の悠史に触らないでよ!!!!」


と耳が割れるような声で叫んだのはあのバカ女

正直殴り飛ばそうかと思った


嫉妬だかなんだか知らねぇが悠史は「お前の」じゃねぇよブス



そしてさっき、席を移動した悠史があの女の元へ行ったのを確認してから俺はずっとソワソワしていた


くそ
こっからじゃ遠すぎて見えねえ

あいつなんかされたりしてねぇよな


俺がめったにしない貧乏ゆすりをしながら遠くの席を眺めていると、俺の腿に手を置いた客が俺を咎める


「ちょっと流星?どこ見てるの?こっち向いてよ」

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