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言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて


僕がソファに座ると、エリカさんがぴったりと横にくっついてくる


「何か飲まれますか?」


僕が尋ねるとエリカさんはパッ、と顔を上げた


「私にそんなに気をつかわないで。それじゃお客さんと変わらないじゃない」


そう言って僕の肩に頬を擦り付けたエリカさんは、暫くするとしゅん、と下を向く


「あのね、悠史……」
「はい?」


話しかけてきたエリカさんに返事を返したけれど、エリカさんは俯いたままで「え、と……ね……」と言葉を濁らせている


「どうかされましたか?」
「あの……ね……」


僕の手の指を弄ってもじもじと何かを躊躇っているような仕草がわざとらしく見えて、少しだけ苛立つ


僕が色んなこと考えて、悩んでる時にこの人はこんなに余裕があるなんて

ただの八つ当たりかな


黙ったまま返事を待っていると、エリカさんは思い切ったように僕を見上げた


「あのねっ……結婚したら……ホスト、辞めてくれる?」
「…………はい?」
「ホストとして働いていた悠史を好きになったのはエリカなんだけどね、でもね……他の女の子に優しくする悠史……見たくないんだ……」


エリカさんは小さく鼻をすする


「悠史?」

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