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言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて


とりあえずエリカさんの主治医に接触しようということになり、病院に出向いた


「これは…………入り辛ぇな」
「まぁそうだよね」


病院前
来てみたはいいものの入っていく患者さんたちは当然のように女性ばかりで、男の僕たちにはとてもじゃないけど入れない


「しかもこれだしな」
「あー……うん……」


敦史が言っているのは出勤途中だった僕たちの格好

派手なスーツに派手な髪型


見合わないよね


「入る……?」
「入らねぇと意味ねぇだろ」
「そうなんだけどさ……」
「……よし、行くぞ」


敦史が足を踏み出して、それに僕も続く

僕たちが院内に入ると、案の定好奇の視線が注がれた


痛い……


敦史が受付に行くと、看護婦さんたちが「きゃあっ」と黄色い声を上げる


うぅん……


「長野って医者と話がしてぇんだけど」
「あ……はっ、はい!では順番にお呼びしますのでお名前をお願いします」


敦史が名前を伝えて待合室のベンチに座った

僕はその隣に座って小さな声で話しかける


「すごいね敦史。僕一人だったら話しかけられなかったかもしれない」
「アホか。あんなことも出来なくてどうすんだよ」
「……うん……」

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