
言葉で聞かせて
第13章 言葉で聞かせて
カーテンの隙間から差し込んだ日差しが顔に当たって、その眩しさに目を覚ました
「……ん……」
俺の腕の中で眠っていたはずの千秋は既にそこにはおらず、ベッドの上には俺一人
眠い
やっぱ変な時間に寝直したのはやばかったか
若干首痛えかも
ベッドに転がったまま伸びをして眠っていた身体も起こす
未だにはっきりとしない意識を無理やり覚醒させて、立ち上がった
これ今日の仕事大丈夫か?
寝ちまうかも
「ふぁ……」
大欠伸をしながら廊下を歩いていると、リビングから笑い声が聞こえてきた
「あはは、そうなんですか?」
「可笑しいですよね」
「ほんとに……っあはは……」
朝っぱらから何で爆笑してんだこいつらは
「敦史さん、おはようございます」
「おはよう敦史」
二人して機嫌の良さそうな顔してやがる
「……あぁ」
小さな声で返事をした俺を気にとめることもなく悠史と千秋は話を再開した
途中から聞いただけじゃ俺には何のことやらさっぱりだ
つまんねぇ
椅子に勢いよく座ると、その音に反応した千秋が焦ったようにキッチンに向かう
「今、朝食の用意しますね……!」
