テキストサイズ

言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて


「こんな時間までお疲れ様です」
「ありがとうございます。千秋さんそんなところで寝てしまっては身体が疲れてしまいますから、ベッドしっかり寝てくださいね」
「はい。お気遣いありがとうございます」


表情も俺が帰ってきた時よりよっぽど嬉しそうだし
腑に落ちねぇな


眼をキラキラさせて悠史の前で尻尾を振っている千秋をわかっているのかいないのか、悠史はいつも通りの態度だ


テンション高いな、千秋
それとも悠史と二人の時はいつもこんなテンションなのか?

それはそれで複雑


「悠史さん、何か食べられますか?」
「いえ、大丈夫です。流石にちょっと眠いので」
「そうですか」
「それでは僕は寝ますね。おやすみなさい」


会話も悠史はあっさりと終わらせ、千秋から鞄を受け取って廊下の奥に消えていった


「おやすみなさい」


悠史の背中に声をかけた千秋が俺の方を向く


「僕たちも寝ますか?」
「そうだな」


千秋のテンションは元通り
なんなんだ



戸締りの確認をしに行った千秋が一足先にベッドに入っていた俺の腕の中に収まって満足そうな顔をする


こういうところは変わらねぇな
さっきのは俺の見間違いか?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ