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言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて


着替えをして、敦史ほどじゃないけどワックスで髪型をセットして、スーツに着替えれば準備終わり


「よし」
「悠史、準備終わったか?」
「うん。終わったよ」
「行くか」


僕達が玄関に向かうと、千秋さんが後をついてくる


「いってらっしゃい」
「いってきます」
「いってくる」


振り返った僕に千秋さんがキスをしてくれた


「千秋」


僕から離れた千秋さんを敦史が呼んで、僕と同じようにキスをする

けど、そのキスがまた


「ふ、ん……んん……ちゅ、ん……」


長い


僕は触れるだけだったのに
もう


「敦史」
「ん……悪い。行くぞ」


漸く離れた敦史は満足顔
千秋さんは真っ赤


はぁ
なんか僕嫌な奴になったな

小さいところに目をつけてもやもや変なこと考えて

敦史に嫉妬してるなんて本当にだめだ


「はぁ……」
「なんかお前最近ため息多くね?」
「そうかな」
「老けるぞ」


ちょっと楽しそうな敦史の顔を見て、僕の心の中は余計に複雑


「本当に、シワが増えそう」
「ははっ、それはそれで面白いけどな」


何にもわかってないくせに
敦史ってばもう

どうしよう

僕これからもずっとこうやって嫉妬しながら生きていくのかな

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