無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

愛する千秋さんに愛されて幸せ

嫉妬も
求められるのも
全部気持ちいい



なんて思っていたんだけど



朝起きてリビングに入ると千秋さんが朝食を作ってくれていて、声を掛けた


「おはようございます」
「悠史さん！おはようございます」


僕の方に振り返って微笑みかけてくれる千秋さんに、心が温かくなる


「朝食、あと少し待って頂いてもいいですか？」
「えぇ、大丈夫ですよ。敦史もまだ起きてきませんしゆっくりで」


ありがとう、とまた微笑んだ千秋さんが調理に取り掛かるのを見て机の上の新聞を手に取った


こうして普通に暮らしている分にはあまり関係のない政治家たちの争いと、何かの研究に初めて成功したとかいう話題

僕自身が興味なくても、お客さんにはこういった関係の方もいらっしゃるから仕方なく見る

知識としてだけ取り込む


新聞の記事で楽しみなのは過去の名作小説が連載されているところだけ


ソファに身を預けながら新聞に目を通していると、リビングの扉が開く


「おはよう、敦史」
「あぁ」


昨日何時に帰ってきたんだろう
夜ドアの開く音気がつかなかったな


頭の後ろを掻きながら欠伸をする姿を眺めていると、僕たちのやりとりでその存在に気がついたらしい千秋さんがキッチンから出てきた