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言葉で聞かせて

第12章 忘れられないこと


それから俺は散々悠史を良いように使い、身体も心もボロボロにしていった

悠史は日を重ねるごとに段々やつれていく

親も姉も心配したが、悠史は病院に行くことを頑なに拒んだ

そりゃそうだろう
その頃には俺は表向きには喧嘩をやめて学校にも真面目に通っていたし、悠史の側で心配するフリをしていた
親は悠史の身を案じる一方献身的に悠史を見守る俺に安心感を覚えていただろうから、それを見た悠史が今の関係を壊せるはずがない


そうやって誰にも気づかれずに調子に乗った俺の行為は更にエスカレートしていく



『なぁ、知ってるか?男同士ってよ、ケツの穴でヤんだって』
『…………』


悠史は殆ど喋らなくなっていた
千秋の患っていた失声症ではない
ただ何かに疲れたような諦めたようなそんな感じだったと思う


悠史は俺が次に言う言葉を予測できただろう


『下脱いで、後ろ向けよ』


初めてシた時の悠史の様子は全く覚えていない
痛えだなんだって感情は全部自分のもので悠史がどう感じていたかなんてことに気を回す余裕はなかった


そうして悠史と無理やり身体を繋げた俺はその後も悠史を求めて、悠史は俺に求められるがまま脚を開いた


俺たちの関係が変わったのはあの日
放課後、家に帰らない悠史を探していた時のこと

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