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言葉で聞かせて

第9章 鳴き声、泣き声


どれだけ僕を自惚れさせるんだろう

昨日まで敦史の方が好きなんじゃないか、とか僕はそんなに好かれていないんじゃないか、なんて考えていたっていうのに


僕はだれにも見せたことがないような顔で自然に微笑んだ


「心配することありませんよ。僕は千秋さんしか見えてませんから」


千秋さんは顔を真っ赤にする


「そんな、こと……仕事で他の女の人にも言ってるってわかってても嬉しいです……ホストやキャバクラに通ってしまう人の気持ちがわかる気がします……」


困ったように笑う千秋さんに「何言ってるんですか」と立ち上がって近づき、優しく腕の中に閉じ込める


「こんなに甘い誘い文句、女性に言うには勿体無い。千秋さんにしか言いませんよ」
「……っ」


僕の腕の中で一瞬身を硬くした千秋さんはその後擦り寄るように僕の背中に腕を回した

胸元に顔を隠すように押し付けられて、うなじにキスをする


「そろそろ寝ましょうか」
「……はい……」


僕は千秋さんの頭を撫でて身体を離し、2人分のマグカップを持ってシンクに置きに行った


「さ、寝室に行きましょう」


コクン、と頷いた千秋さんがあんまりにも可愛いから


今晩、我慢できるかな

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