
言葉で聞かせて
第9章 鳴き声、泣き声
少し顔を赤くした千秋さんに微笑んで、マグカップを受け取った
暖かくしたミルクと砂糖を少し多めに足して掻き混ぜる
一応味見、と口をつけてから振り返ると、千秋さんは顔を真っ赤にしていた
え……?
僕何かした?
「千秋さん?顔が真っ赤ですよ?」
首を傾げながら尋ねると千秋さんは俯いたまま話し出した
「あ、の……っ、コーヒー、悠史さんに合わせたわけじゃないんです……」
「?はい」
そうだったんだ
「えと……ぁ、お風呂入って、眠かったので……夜に、眠れなくなるように……って……」
段々尻すぼみに小さくなっていく声を全てなんとか拾って、理解すると僕は笑ってしまった
「あははっ……」
「!!」
千秋さんは驚いた顔をした後恥ずかしそうに僕の服の裾を掴んだ
笑わないで、と言っているその手に自分の手を重ねて「ごめんなさい」と小さく謝る
「可愛くって、つい……」
「可愛くないです」
頬を膨らませた千秋さんが可愛すぎて、頬を撫でながらその風船を萎ませる
くすくす笑いながら僕は悩んでいた
今日あんまりスる気なかったんだけどなぁ
2日連続なんて、身体に無理させたくない
