
言葉で聞かせて
第9章 鳴き声、泣き声
冷たい……
浴室に入る前何をしていたんだろう?
疑問に思ったけれど、頭を洗う千秋さんにわざわざ話しかけるほどのことでもないだろうと諦めた
頭と身体を洗い終えた千秋さんが一瞬狼狽えたように見えて、僕は微笑みかける
「千秋さん、どうぞ」
浴槽の端に背中を預けるように移動した僕に、千秋さんはまだ狼狽えている
それもそのはず
僕の避け方だと僕の脚の間に収まることになるから
でも千秋さんは「もっと避けろ」なんて敦史みたいなこと言えるわけなくて、結局おずおずと足をあげた
あ、良い眺め
って変態オヤジみたいだ
足をあげた時に必然的に見えた千秋さんの中心と綺麗なお尻に目が行ってしまう
思わず自身が固くなりそうで必死に堪えた
千秋さんが僕の脚の間に座ると、今度目に入るのはお湯で濡れて色気のあるうなじ
「千秋さん、もっとこっちに来て下さい」
僕は後ろからそのうなじにキスをしながら千秋さんを抱き寄せた
「……っ」
身体を強張らせた千秋さんの頭を撫でて落ち着かせる
「湯加減はどうですか?熱くない?」
「だ、いじょ、うぶです……」
あぁ可愛い
千秋さんの身体についた水滴さえ愛しくて首の後ろを舐めた
