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言葉で聞かせて

第9章 鳴き声、泣き声


「何?りゅ、せいさ……」


1人意味のわからない流が俺の名前を呼んだが、そんなことどうでもいい

今の俺にはもう他の誰も気にならない


「流、帰れ」
「ぇ?」


俺は泣きながら俺の胸に顔を埋めるこの可愛い恋人を持ち上げた


「さっきの話はなしだ。俺はお前を抱くことは一生ねぇよ」
「どうしてですか!?だってさっきっ……」
「じゃあな」


放心する流を置いたままで、千秋を抱えた俺と悠史はエントランスをくぐった

部屋に入り、千秋をリビングのソファへ

小さくなっていた千秋は俺が離れようとすると首に腕を回してそれを拒む


「千秋?」


すると


「はぁ……」


悠史が俺ごと千秋を抱き締めた


「良かったですね……」
「……そうだな」
「本当に……声が出るようになって良かった……」


千秋が身動ぎして悠史にも腕を回す


「僕の……僕の、恋人……誰にも渡さない。お店の女の子にも妬いてるのに、男の人になんて……」


そう呟いた千秋の顔を覗き込んで、口付ける


「……ふ、ん……」


口の間から漏れた初めて聞く千秋の感じる声に下半身に熱が集まる


あーーくそ
嫉妬ね

可愛すぎか

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