
言葉で聞かせて
第9章 鳴き声、泣き声
キスを終えて前髪をかきあげながら
「嫉妬してたんだ?店の客にも?」
と俺が聞くと千秋は恥ずかしそうに少し俯いた
「だ、って……」
くそ
狙ってんのかよ
次は悠史がキスするだろうから、とキスしたい衝動を我慢していると悠史は千秋に触れるだけのキスをして立ち上がった
「僕は寝るね」
「あ?」
「今日は2人で愉しんで?」
突然そんなこと言い出した悠史に千秋が不安気な顔をする
「どうして?」
「ずっと三人でスるのは千秋さんの身体に負担なので、今日は我慢します」
「あした?」
「ん?ふふ、千秋さんが良いなら明日是非」
「おやすみなさい」と部屋に向かった悠史を目で追いながら見送る
変な気つかいやがって
あの馬鹿
今回はほぼ俺が原因だから自分は邪魔だとでも思ったんだろう
まぁ明日とか言ってたしな
今日は俺とだけ、ね
「千秋、部屋行くぞ」
「ん……っ」
俺の部屋は比較的悠史の部屋に近いため声が聞こえかねない
我慢してもらってんのにそれはねぇだろ、と千秋の部屋に向かう
ベッドの上に下ろすと千秋が俺の首に手を回しながらキスしてきた
「ふ、ん……っは……」
相変わらず上手えな
