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言葉で聞かせて

第7章 過去


それなら残る問題は一つ

どのタイミングで動くか


どうにか敦史の手も解ければいいんだけど


僕は黙ってしまって敦史は菜摘を睨んだまま手を解こうと身を捩っていて交渉に応じる気はないとわかったのか


「あなた達がそうでも、きっとこいつから関係を切ってくれるわ」


と掴まれていた髪を離されて倒れ込んだ千秋さんの前にしゃがんだ

そして携帯の画面を千秋さんに向ける


「!!!!」


その瞬間千秋さんの顔が驚愕のそれに変わった


なんだ?


「ね?あなたも敦史や悠史と一緒にいないで一人暮らしでもしなさいよ。ほら」


菜摘が携帯を操作してまた千秋さんに見せる

千秋さんは口を半分開けたまま震えていた


「この人達と離れてくれるわよね?」
「………」


千秋さんが震えながらもゆっくり頷くと敦史が


「てめぇ千秋に何したんだよ!?!?」


と暴れた
突然暴れ出した敦史に男達の反応が間に合わず手元から一瞬離れたけど、足も縛られている敦史はすぐに床に転がってしまう


「おいおい。大人しくしてろよ」
「そーそー。無駄だって」
「くそっ……」


その瞬間、敦史と目があった


「!」

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