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言葉で聞かせて

第7章 過去

小さい、と言われたのが千秋さんだとすると千秋さんは今はここにいないのかな


僕が男の言葉から一生懸命情報を読み取ろうと考えていると菜摘が少し迷ったように「うーん」と唸ってから答えた


「言うこと聞いてくれなかったし、お仕置きかな」


お仕置き?


「連れてきて」


菜摘の指示に返事はなかったものの、男のうち数人がその場を去った


何が起きているのか整理しようと考えていると菜摘が履いているらしいハイヒールが床を鳴らす音が聞こえてきた

こちらへ近づいてくる


そしてドサ、と勢いよく僕の隣に座り


「まだ目が覚めないの?つまんない。本当は目覚めてるんじゃない?」


僕の頬をゆっくり手で撫でた

その気持ち悪さに全身鳥肌が立つ


「早く起きてー?ねー」


菜摘は僕の顔を両手で持ち仰向きにさせた


「そういえば悠史はこれが好きだったんだっけ?」


ふ、と顔に影が落ちた
そして鼻の下あたりに暖かい空気が触れる

それが菜摘の鼻息だと気がついた時にはもう逃げられないところまで近づいていた


う……!!


菜摘は俺の唇を唾液たっぷりの舌で舐めた


なんか
気持ち悪い……!

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