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言葉で聞かせて

第7章 過去


「ーいーーにーつかっーーてーーー」


何?
何か聞こえる?


睡眠薬の類なのか頭がふわふわして思考が回らない中、僕は重い瞼を持ち上げた


「……っ、ん……」


視界の半分に白いシーツのような物が写っている
僕はどこかのベッドの上に寝かされているらしい

そしてその向こう側には人が数人立っている


「傷つけたりしてないわよね?」
「多分な」
「多分じゃ困るんだけど」


声からして菜摘と、敦史と似て言葉遣いの悪いのが何人か話している


そうだ
敦史は?


視線を巡らせてみるけど、視界にはそれらしき人影はない


敦史も眠らされたんだと思うんだけどな


身体が自由に動かせればいいけど、両手両足が縛られているらしく動かない

それでも体の向きぐらいは変えられるには変えられるがそれで菜摘たちに意識が戻ったことがバレてしまうのが果たして正しい選択なのかが今の状態ではわからない


どうする?


「それで?こいつらはいいとしてあのちっちぇえのはどうすんだ?」


菜摘と一緒にいた男が言った


こいつら、と言ったってことはやっぱり近くに敦史もいるのかな

それにしても、小さいの?
千秋さんのこと?

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