
言葉で聞かせて
第7章 過去
結局、一週間分の食料にお米や水などの重いもの、更に敦史の服まで買ったので大分大荷物になった
帰りの車の中で後ろに積み込まれた荷物を見ながら敦史が
「これ、確実にいっぺんには持ってけねえよな……?」
とボヤいた
「当たり前でしょ。それに服は僕達は持たないからね」
「えぇ?手伝ってくれてもいいじゃん!」
「僕は甘やかさない主義だから」
「どケチ」
僕達のやり取りを千秋さんはまた楽しそうに笑いながら聞いている
それをバックミラーで確認して、僕は胸を撫で下ろした
よかった
本当に元気になってきてくれたみたい
車を駐車場に止め、横で寝息を立てていた敦史を起こす
「敦史、着いたよ」
「んん……ぁ……あぁ。ふぁ……」
大きな欠伸をする敦史を置いて一度車外に出て反対側へ
車のドアを開けて千秋さんを外に出す
「お疲れ様でした。足元にお気をつけて」
3人でトランクを開ける
「うわ、多!めんど」
「敦史。グダグダ言わないで運ぶよ。あ、千秋さん無理しないで軽いものをお願いします」
「千秋米なんか持ったら腕折れる」
3人持っても両手がふさがるほどの荷物を何とか持ってエントランスに向かう
