
言葉で聞かせて
第7章 過去
そしてそれからゆっくり準備して、3人で家を出た
「ん?千秋、どうした?」
ふと見ると、千秋さんは何故か何かを恐れているように震えていた
「もう大丈夫だって。安心しろ」
敦史が優しく声をかけて頭を撫でる
随分長い間怖がらせてしまったみたい
暫くしてようやく震えのおさまった千秋さんを連れてスーパーに車で向かいながら目に付いたレストランに入り昼食
「俺たちが買い物に来れるのなんて滅多にないんだから、重いもんでも何でも買っていこうぜ」
「そうですね。お米とか、千秋さん一人では運べないものをまとめ買いしてしまいましょうか」
スーパーでは金遣いが荒く食べきれないような量をカゴに入れていく敦史を怒りながら止める僕を見て千秋さんは楽しそうに笑っていた
少しは元気になってくれたかな?
帰り道
「あ、俺スウェット欲しい」
と突然言い出した敦史に従ってチェーンの少し値段の張らないブランド店に入る
「珍しいね?普通といえば普通の値段なんだけど、敦史にしては安いところで服買うんだ?」
敦史はサイズだけ確認してグレーや黒のスウェットをカゴに放り込んでいく
「ん?……あぁ、まぁな。ここのが一番丈夫だし肌触りが良いんだよ」
「へぇ……」
