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言葉で聞かせて

第7章 過去


「おはよう、敦史」
「ん……ふぁぁ……はよ」


敦史は眠そうに大きな欠伸をした
その敦史に僕は


「敦史、終わったよ」


と声をかけた

敦史は一瞬意味がわからないという顔をしたけど、すぐに意味がわかったらしく「そうか」と一言答えた


「それで、今日は家でゆっくりしながら3人で話でもしようかって」
「あぁ?なんだ話ってーー」


なんで仕事を休んでまでそんな面倒なことをしなきゃいけないんだ、と反論しかけた敦史に目で訴える


ーー終わったんだよ、敦史。話さなきゃいけないことあるよね?

ーーチッ、わかったよ


「とりあえず朝食を頂きましょうか」
「そうだな。腹減った」


僕達の繋がらないやりとりに呆気にとられていた千秋さんは僕の声で我に返ったらしく、急いで朝食の支度に取り掛かってくれた


「別に急がなくてもいいですよ」
「これ持って行っていいのか?」
「それじゃあ僕はこれを」



僕達が聞かなきゃいけないこと
それはもちろん

千秋さんが何で相手に脅されていたのか

本当は何をされたかまで聞きたいところだけれど、恐らくそんなことを聞いたらまた過呼吸などの拒否反応が出てしまうだろうからそれは遠慮しておこう

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