
秘密の兄妹
第16章 壊れかけの心
すーすぅー
…はあ、眠れねえ……
俺に抱きついている紫織の髪から、かすかにフローラル系のシュンプーの匂いがする。
紫織の柔らかい胸が、俺の胸板に当たっているのが分かる…
紫織の体に触れたくて仕方がなくなる…
「……っつ」
やばい…
甘い誘惑に耐えられなくなり、俺はベットから体を起こすと、自分の部屋を出た。
―――――――
―――――
―――
チュンチュンチュン
「…ん…」
朝、目を覚ますと、隣に紫織の姿はなかった。
「…………」
いつものように洗面所に向かうと、紫織がエプロンをした制服姿で朝食の用意をしていた。
「おはよう、紫織…」
紫織は俺の顔を見ると、少し伏し目がちになって返事をする。
「おはよう…
ごはんの用意できてるよ
早く着替えて来て…」
「ああ…」
…何か元気がない気がする…
やっぱり学校行くの怖いのか…?
★★★★★★
2人で朝食をとりながら、俺は紫織に話しかける。
「紫織、学校行くの無理しなくていいからな…」
俺がそう言って紫織の方を見ると、紫織は口元を手で押さえていた。
「…紫織?」
紫織は立ち上がると、トイレに駆け込んでいった。
「…何なんだ…?」
しばらくすると、紫織が涙目でトイレから出てきた。
「どうした!?」
「…吐いちゃった……」
「え…」
「さっき食べたもの全部吐いちゃった……」
