
秘密の兄妹
第16章 壊れかけの心
「まあ、何はともあれ、今、学校中の奴らが紫織ちゃんの味方だから、紫織ちゃんが落ち着いたらいつでも登校させても大丈夫だと思う。」
「風磨…ありがとな……」
「別に…
俺が自分でそうしたくてやったことだから、礼はいらない…」
――――――
――――
――
学校が終わると、俺は真っ直ぐ紫織の待つ家に帰宅した。
ガチャガチャ
「ただいま」
玄関を開けて、家の中に入る。
…少し喉が渇いたな……
俺はキッチンにある冷蔵庫を開けて、ペットボトルのお茶を取り出した。
…いい匂い……
鍋からいい香りがして、鍋の蓋を開けてみると、俺の好きなビーフシチューが作られていた。
「紫織…ごはんなんて無理して作らなくていいのに……」
俺はペットボトルのお茶を飲みながら、リビングのソファーに向かった。
……!!!
ソファーには横になってすやすやと眠ってる紫織の姿があった。
俺は紫織の側に寄り、しゃがんで紫織の頭を撫でた。
…可愛い寝顔…
キスしたい…
俺は自分の唇を紫織の唇に近づける。
「……っ」
駄目だ
ここでキスなんてしたら歯止めが効かなくなる…
キスだけじゃ済まなくなる……
俺は深いため息をつき、着替えるため2階へ上がっていった。
