
秘密の兄妹
第15章 美加の復讐
「今川も早く首の痣の手当てを…「いいです。私はこの事件の首謀者なので、私が職員室ですべてを話します」
私は先生の言葉を遮って、一人でさっさと職員室に向かった。
★★★★★★
職員室に行って、私はすべてを先生に話した。
悠人も、今回のことは自分に非があると、珍しく素直に自分の罪を認めた。
話を聞いていた先生たちは、今回の件は未遂に終わったこともあり、お互いの痛み分けということで、大目に見て処分はしないということにしてくれた。
だけど、アキラたちはあまり反省の色がないみたいで、先生の説教が終わると、さっさと家に帰って行ってしまった。
職員室を出て、悠人と風磨と私たちが気まずそうに黙って、乗降口に続く渡り廊下を歩いていると、沢村さんに連れられて、紫織ちゃんが廊下の向かい側から歩いてきた。
「紫織!!」
悠人は紫織ちゃんに駆け寄る。
「体は大丈夫か?」
「……うん」
紫織ちゃんが下を俯いてそう答えると、紫織ちゃんに付き添っていた沢村さんが悠人に声をかける。
「保健室の立野先生と、学校の心理カウンセラーの近藤先生が、紫織のことで高瀬先輩に話があるから、保健室に来るようにって言ってました。」
「分かった…」
悠人はそう返事をすると、私たちの方をちらっと見る。
「美加…」
紫織ちゃんの心配は人一倍するのに、私たちに謝罪の一言もいわない悠人に無性に腹が立って、私は思わず悠人を怒鳴りつける。
