
20年 あなたと歩いた時間
第12章 君が生きた日々
「びっくりした…珍しいね、流星がいきなり来るなんて」
のぞみも帰ってきたばかりらしく、窓を開けて
空気を入れ換えたり、やかんを火にかけたり
した。
「ん…要と会ってて…ちょっと」
僕はクッションを抱いて床に座ると、いつもと
変わらないのぞみの部屋を見渡した。
ここにひとり、のぞみは生活してるんだな。
「え!要来てたの?真緒は?」
「や、真緒に会いに帰る途中だったから」
「あ。そっか。…要、途中下車したんだ、新幹線」
のぞみはコーヒーの粉をスプーンですくった。
髪を耳にかけて、やかんの湯をマグカップに
注ぐ姿が、1年前ののぞみと重なる。
熱が下がった朝、僕に朝食を作ってくれた
のぞみ。
「愛だねえ…」
「え?!」
「要だよ。要、流星のこと大好きだもんね」
「要が?!いや、まあ嫌われてはないだろうけど」
弱音、吐きたかったんだな。要は。
それくらい、もしかしたら参ってたのかも
しれない。
でも、要には真緒がいる。
あの、姉ちゃんみてーな真緒が。
僕には…のぞみがいる。でも僕は、のぞみに
甘えたり弱いところを見せたりしている
だろうか。
「はい、熱いから気を付けて」
「ああ、ありがとう」
僕の目の前にコーヒーを置いて、のぞみは
向かいに座った。
のぞみも帰ってきたばかりらしく、窓を開けて
空気を入れ換えたり、やかんを火にかけたり
した。
「ん…要と会ってて…ちょっと」
僕はクッションを抱いて床に座ると、いつもと
変わらないのぞみの部屋を見渡した。
ここにひとり、のぞみは生活してるんだな。
「え!要来てたの?真緒は?」
「や、真緒に会いに帰る途中だったから」
「あ。そっか。…要、途中下車したんだ、新幹線」
のぞみはコーヒーの粉をスプーンですくった。
髪を耳にかけて、やかんの湯をマグカップに
注ぐ姿が、1年前ののぞみと重なる。
熱が下がった朝、僕に朝食を作ってくれた
のぞみ。
「愛だねえ…」
「え?!」
「要だよ。要、流星のこと大好きだもんね」
「要が?!いや、まあ嫌われてはないだろうけど」
弱音、吐きたかったんだな。要は。
それくらい、もしかしたら参ってたのかも
しれない。
でも、要には真緒がいる。
あの、姉ちゃんみてーな真緒が。
僕には…のぞみがいる。でも僕は、のぞみに
甘えたり弱いところを見せたりしている
だろうか。
「はい、熱いから気を付けて」
「ああ、ありがとう」
僕の目の前にコーヒーを置いて、のぞみは
向かいに座った。
