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20年 あなたと歩いた時間

第12章 君が生きた日々

やっぱり、走るっていいよな。
そうか。
こうして、別のことで頭の中を埋めていけば
いい。当面はそれが勉強かも知れないけれど、
卒業して大学生になったら、また違う目標が
できて、違う恋愛をして…
そうやって、時間は過ぎていくんだ。
いつかのぞみのことも忘れて、のぞみは僕より
ずっといいやつに巡り会う。
でも、いつかのぞみが病気になったら、
絶対に僕が助ける。僕はのぞみを助けるために
生きる。

「なんか、いけそうちゃう?リレー」

井川が笑った。

「理数科もやしとか言わせねー!」
「いやいや!全っ然違うから!」
「見て、この腹筋」
「おわ、すげー、顔書きたい」

笑った。久しぶりに、笑った。
まだ他に、こんなに笑うことがあった。
こんな感じ、だよな。

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