
20年 あなたと歩いた時間
第12章 君が生きた日々
冬休みは結局一度ものぞみには会わなかった。
クリスマスも初詣も、僕からは誘わなかった。
僕らがこんなふうに気まずくなっているのを
知ってか知らずか、真緒と要からも誘いは
なかった。
2月に入ると、沖縄に修学旅行に行った。
クラスのほとんどが男子の理数科は、
色めきたつこともなく、学校の教室がそのまま
移動したようなノリで4泊5日が過ぎた。
班行動の日、色鮮やかな首里城でのぞみたちの
グループとすれ違った。
その時、ものすごくタイミングの悪いことに
他のクラスの女の子たちに一緒に写真を撮って
ほしいと頼まれた。
断る理由もなく、僕は中途半端な笑顔で顔しか
知らない女の子の写真におさまった。
その後の自由行動の時に見つけた、沖縄限定
メロディちゃんのボールペンを買った。
どんなタイミングでのぞみに渡すのか、
その時の僕には見当もつかなかった。
それくらい、のぞみの存在が遠かった。
修学旅行から帰ると、すぐに学年末テストが
始まった。
いつものように図書館で勉強しても、隣には
のぞみがいなかった。
左を見ても、きれいな文字が並ぶノートは、
なかった。
この時ほど、僕はテストの結果が
よかったことはない。
のぞみと過ごさない放課後は、
桐野に声をかけて、トラックを走らせて
もらった。4継や跳躍の練習を見ていると、
ああいう競技もやってみたかったなと思った。
そうやって時間は過ぎていくのだと思うと、
色んな感情が麻痺していくようだった。
気がつけば、刺すような寒さは和らいでいた。
クリスマスも初詣も、僕からは誘わなかった。
僕らがこんなふうに気まずくなっているのを
知ってか知らずか、真緒と要からも誘いは
なかった。
2月に入ると、沖縄に修学旅行に行った。
クラスのほとんどが男子の理数科は、
色めきたつこともなく、学校の教室がそのまま
移動したようなノリで4泊5日が過ぎた。
班行動の日、色鮮やかな首里城でのぞみたちの
グループとすれ違った。
その時、ものすごくタイミングの悪いことに
他のクラスの女の子たちに一緒に写真を撮って
ほしいと頼まれた。
断る理由もなく、僕は中途半端な笑顔で顔しか
知らない女の子の写真におさまった。
その後の自由行動の時に見つけた、沖縄限定
メロディちゃんのボールペンを買った。
どんなタイミングでのぞみに渡すのか、
その時の僕には見当もつかなかった。
それくらい、のぞみの存在が遠かった。
修学旅行から帰ると、すぐに学年末テストが
始まった。
いつものように図書館で勉強しても、隣には
のぞみがいなかった。
左を見ても、きれいな文字が並ぶノートは、
なかった。
この時ほど、僕はテストの結果が
よかったことはない。
のぞみと過ごさない放課後は、
桐野に声をかけて、トラックを走らせて
もらった。4継や跳躍の練習を見ていると、
ああいう競技もやってみたかったなと思った。
そうやって時間は過ぎていくのだと思うと、
色んな感情が麻痺していくようだった。
気がつけば、刺すような寒さは和らいでいた。
