
20年 あなたと歩いた時間
第12章 君が生きた日々
今年もあとわずかだ。時間なんて
あっという間に過ぎていく。
高校生活の3分の2がもうすぐ終わろうと
しているなんて。
冷たく乾いた風が、落ち葉を巻き上げて、
雨戸をカタカタ鳴らした。
「流星…あったかい…」
狭いベッドの中で、僕とのぞみは抱きあって
いた。
こうなったのは、台風がいくつも来ては
去っていった、夏の終わりからだ。
僕らは毎日、学校が終わると僕の部屋で
勉強した。勉強する日もあれば、勉強をせずに
今日みたいに裸で抱きあう日もあった。
ただ、抱きあっていた。
一度もまだ、つながったことはない。
こわかった。だから、我慢していた。
脱いだ制服が床に散乱している様子は、
とても無責任に思えた。
「…ん…あったかいな」
「気持ちいいね…」
並んで天井を見上げていた体勢から、
のぞみが体を半分起こしてキスをした。
さらさらと冷たい髪が、僕の鎖骨の上を
流れた。
我慢できなくて、今度は僕が上半身を起こして
のぞみを半回転させ、覆い被さった。
前髪が分かれて、露になった額に唇をつけた。
そして閉じた目、上気した頬、やわらかな唇、
薄い耳たぶ、白い首筋。
僕は何も考えず、カラカラに乾いた喉も
気にせず、ただのぞみを感じていた。
あっという間に過ぎていく。
高校生活の3分の2がもうすぐ終わろうと
しているなんて。
冷たく乾いた風が、落ち葉を巻き上げて、
雨戸をカタカタ鳴らした。
「流星…あったかい…」
狭いベッドの中で、僕とのぞみは抱きあって
いた。
こうなったのは、台風がいくつも来ては
去っていった、夏の終わりからだ。
僕らは毎日、学校が終わると僕の部屋で
勉強した。勉強する日もあれば、勉強をせずに
今日みたいに裸で抱きあう日もあった。
ただ、抱きあっていた。
一度もまだ、つながったことはない。
こわかった。だから、我慢していた。
脱いだ制服が床に散乱している様子は、
とても無責任に思えた。
「…ん…あったかいな」
「気持ちいいね…」
並んで天井を見上げていた体勢から、
のぞみが体を半分起こしてキスをした。
さらさらと冷たい髪が、僕の鎖骨の上を
流れた。
我慢できなくて、今度は僕が上半身を起こして
のぞみを半回転させ、覆い被さった。
前髪が分かれて、露になった額に唇をつけた。
そして閉じた目、上気した頬、やわらかな唇、
薄い耳たぶ、白い首筋。
僕は何も考えず、カラカラに乾いた喉も
気にせず、ただのぞみを感じていた。
